シンギュラリティ以降のアニメ業界

過去のアニメ(とその制作データ、原画動画など)と売上データや視聴率などのビッグデータを、コンピュータがディープラーニングによって学習し、アニメ制作工程の一部を徐々にコンピュータが肩代わりしたら面白いかな。

 

と言う妄想です。


シンギュラリティ以降、アニメ業界はひとつの人工知能(わかりやすくグーグルホームと仮称)を利用して、アニメ制作過程を短縮し始めた。なぜひとつの人工知能かといえば、ビッグデータと制作過程を効率よく学習させることと、高度化する人工知能を維持するための費用を分割して支えるために、業界全部がひとつの人工知能を利用し始めたのである。
守秘義務の観点から、蓄積されるビッグデータ自体へのアクセスはできない。


[シンギュラリティ|1段階目]

原画マンは作成した原画をスキャナの上に置き、グーグルホームにこういった。

 

「OKグーグル、この原画をキャラデザと絵コンテの内容を参照しながら動画にして、着色までしてくれ。完了したら、○○スタジオに送ってくれ」

 

グーグルホームは、原画を画像解析すると、ビッグデータから原画マンの過去の原画と動画を分析し、描画するコマ数を算出して動画を描画した。また並行してキャラデザを参照し、デザインの誤りや表情の崩れなど(現在の作監が修正する作業)も完了させていた。またまた同時並行で絵コンテを解析し、シーンと演出意図を読み取ると、先ほど作り出した動画に着色した。

 

完成した着色済みの動画は、グーグルドライブにアップされ、メールで○○スタジオに作業完了の報告が伝えられた。

 

原画マンがグーグルホームに命令して作業完了までにかかった時間はわずか1秒だった。


そして、○○スタジオでは編集と特効などの作業が開始された。

 

[シンギュラリティ|2段階目]
プロデューサは、企画書と脚本と絵コンテをコンピュータに取り込み、グーグルホームにこういった。

 

「OKグーグル、企画書と脚本を用意した、さあアニメを作ってくれ。企画書に参考のアニメが記載れているが、著作権に引っかかりそうな箇所は、30%の割合で別にアニメの要素を組み込んで、パクリにならないようにしておいてくれ」

 

グーグルホームは、企画書と脚本を解析し、企画書に記載されていた「君の名は」ほか、参考タイトルをビッグデータから分析し、「新しい」キャラクタと「新しい」世界観を作り出した。脚本からは、脚本家の作品の傾向と、文字解析により内容を理解し人間が感動しやすいポイントを抑えながら、画面を一つ一つ作っていった。

 

わずか数秒で、脚本すべてを画面に起こし終えると、編集作業に移った。
ディープラーニングでアニメ作りを完璧に学習し終えたグーグルホームは、(各画面で視聴者がどのように感情を動かすかを解析しつくしているため)スピルバーグや宮﨑駿、黒澤明など名監督にも負けない編集力を発揮し2時間のアニメ映画を完成させた。

 

作業開始から映画が出来上がるまでわずか1時間。

 

プロデューサは出来上がった映画を見て、満足そうに笑みを浮かべながら、公開に向けた宣伝会議に向かった。

 

 

[シンギュラリティ|3段階目]

朝になり、ベッドから起きた太郎は、無性に新しいアニメが見たくなった。

 

「OKグーグル、何か新しいアニメを作ってくれ」

 

グーグルホームは、太郎の体調や脳波を解析し、現在の太郎の気分にあうアニメを(色々参照しつつ←)作り出し、画面に映し出した。

 


太郎は命令してからわずか3秒で作成されたアニメを満足そうに見ていた。しかし、途中でつまらなくなったのか脳波に乱れが生じた。グーグルホームはそれを検知すると、アニメを再生しながら、先の展開の一部修正を加えた。

 

アニメはリアルタイムで作成されながら、再生されていたのである。

 

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以上、ただの妄想ですのであしからず。